2011年1月23日日曜日

最近の案山子は自販機

確かに学生のころから戸外に自販機があった。が,たいていは店舗に密着していたと思う。アメリカでは戸外には無いが,大学構内にもあるし,ランドリー等にもあるから不便は無い。それが 30 年くらい前から,日本中のどこにでもある。場所を選ばない。ちょっと遠出をすると田んぼの中のバス停の横に見つけたりする。建物は周りには無い。日本の景観を壊している代表格ではないかと思っている。全部無くせ! こんだけコンビニがあるんだから・・・
さて,かつて僕が学科長だったときに,僕らのいる実験研究棟に自販機を導入しようとしたところ,建築の教員会議の全員一致の回答ということで,「教育・研究環境に相応しくない」と言われ却下された。講義室周辺やエレベータ内での建築の学生の会話ではよく,「自販機欲しいなぁ」というのが聞かれ,その都度「反対しているのは建築の教員」と伝えてきた。それから 15 年経ってようやく 3 台が設置された。建築は大賛成だったという。以前反対していたとされる教員は今もいるのだが,何を考えているか理解できない建築関係者はとても多い。そうそう,10 年ほど前にこの建物の玄関前の模様替えを検討する必要が出た。そのとき建築の教員から出た案には,バス停の横,もちろん戸外だ! そこに何と自販機が! 一体,ここの建築ってのは,どういう審美観・倫理観を持っているのだろう。よくわからない。ま,わかりたくもないが。
誰が設計したのかわからないが,学内の環境委員会の意向も強く反映された大学生協売店が最近できた。本棚がいろいろな向きに離れて立っている。直角に整然と並んでいる方がよっぽど使い易いのだが。壁がまぁるいから無駄なスペースができる。旅行コーナーのカウンタの職員は足の伸ばすスペースが無い。並んでカウンタに着くまで旅行申込者は時刻表を見てはいけない。備え付け以外のボールペンをカウンタに置いてはいけない。すべての食べ物コーナーに直射日光が入るからチョコレートが融ける。雑誌を見るには目をつぶらないといけないくらいの光が注ぐから立ち読みができない。ブラインドを付けようにも縁がまぁるいから・・・何を考えているのでしょうねぇ。その横にまた,動線が最悪な食堂が完成した。