2010年10月9日土曜日

リズムが本質

音楽は何で聴くか。メロディ? かな? しかし,最も大事なのはリズムだ。友人に楽器をやる人がいたら,得意な曲をすべて(例えば)四分音符で演奏してもらうといい。全く何がなんだかわからないだろう。学生のときミヨーの「スカラムーシュ」に接した。最終章が特に楽しい。当時の人気 TV 番組の踊りながらの導入曲に似てるねって国立(くにたち)音楽学校出身の方からコメントをもらい,確かに!と納得した。やはり踊りだリズムだ。
学生のときの目覚ましに FM 局を使っていたが,ある朝(日曜だったと思うが),肉声を打楽器のように使った(僕の当時の指導教員の形容)曲に出会った。すぐに本屋の雑誌立ち読みで,オルフのカンタータ「カルミナ・ブラーナ」だとわかった。その後ボスと雑談の折に,偶然その曲の面白さの話になって前述の形容句をいただいた。リズム・リズムだ。何しろ言葉の意味は全くわからん。ストラビンスキーの「春の祭典」もリズム・リズムだ。画期的だ。すごいっ! だったらダンス音楽が最高ではないか・・・というので,どこかでピアソラを経験した。TV CM よりも早かったとは思うが,どこでだったか忘れた。そして,ついに「ブエノスアイレスのマリア」に到達した。ギドン=クレーメルが企画したものだが,ピアソラだっ! ジムでの自転車こぎにも最適だ。
ただし,最近の学生さんの聞いているヤカマシイ音楽のはちと退屈に思うのだがどうだろう。エレベータや電車・バスの中で,イヤホンからもれてくるのはリズム部分だ。これがどういうわけか単調だ。バッハの編曲もたくさんあるが,どうしてバックリズムが単調なのだろう。なんでこんな退屈なリズムで・・・と,おじさんにはわからない。ちと専門用語を使うが,発展則というのがどこにあるのだろう。ジャズは発展則そのものだろう。リズムもモチーフも・・・ストラビンスキーなんてのは発展則に突然変異もある。そこが,その意外性が楽しみ・心地よさにつながる。単調なリズムは貧乏ゆすりと同じでイライラするのだが,世代の違いか。