2010年10月7日木曜日

正確ではない報道

ノーベル化学賞の夜のニュースには 3 人の写真。報道内容・構成との間に大きな違和感を感じながら寝た。翌朝の新聞では,3 人目のアメリカ人 Heck 教授の成果がオリジナルで,それを二人の日本人が応用したように読める。しかしそれでも朝日の見出しは「日本人 2 氏 ノーベル賞」だ。間違ってないが,正確ではない。さすがに新聞には Heck 教授の写真と紹介があった。当たり前だろう。たまたまその午前中に乗ったタクシーの運転手さんは新聞を読んでいなかったのだろう。受賞が 3 人組でアメリカ人が入っていることを全く知らなかった。これはとてもまずいのではないか。逆の状況にある場合にアメリカの新聞見出しに日本人のことが書かれてなかったときに,この報道の人たちはどう感じるのだろう? ということを自問自答してそれを踏まえた上で夜に報道内容を構成・作成していたのだろうか。はなはだ怪しい。翌日の夕方と夜のニュースでも,まだ「ダブル受賞!」だ。間違ってはいないが正確ではない。
ちなみに午前中にネットで,New York Times と USA Today を探してみたところ,前者は `3 Share Nobel in Chemistry' であったし,後者は `2 Japanese, American share Nobel Prize' だった上でパデュー大の根岸教授の写真だった。日本の報道に比べると,見出しからしてとても正確だ。面白いことに Chicago Tribune には記事が見つからなかった。学生のときに某大学の音楽学科女性教授に「活字なんか信じちゃだめだよ」と言われたことがあるが,最近,それがあまりにも多いような気がする。僕のブログや講義ノートの中身も含めて・・・