2018年2月3日土曜日

大学入試の解答公開

    反対。確かにミスを防ぐために出題の意図を表明するのはいいかもしれないが,公開したからミスが防げるわけではない。東北大のように出題意図を別途公表すればいいだけ。そして一番良くないのは,工夫した解き方を公開することによって良問の出し方がどんどん難しくなることだ。解答を出すと特に昨今の若者はそれを覚えようとする。理解ではなくだ。もちろんそれで頭の動きが変わるから勉強になるかもしれない。しかし,それは自らが自分の脳味噌で導き出すべきもので出題者の援助があるのは教育的ではない。
    良い問題というのはそんなにたくさんは作れない。という言葉は僕の恩師の経験と言葉であり,僕自身の経験でもある。しかも入試には過去問を使うことが許されない。良問というのは,一見標準的な方法で解けそうだが,それだと実は解けない,あるいは時間がかかる。そこである工夫をすると瞬時に解けるというものも含まれる。この解答を公開することは受験生の頭を良くすることにはつながらないと僕は思う。大学でも,宿題や定期試験の解答を公表しろという学生の声が昨今は大きい。僕は,自分が解けなかった宿題や定期試験問題の答を未だに求められないものがあり,悶々としているが,そこがいいのではないか。自分で考えるということが。