2012年1月28日土曜日

何が本質なんでしょう

小中学生の全国学力テストの一部の問題を公開しないとか。その非公開問題は毎年出して学力の変化の指標に使うとか。本末転倒もはなはだしい。何のために試験をしているのでしょうねぇ。学力アップが第一義であって,「ついでに!」その結果を『専門家』が分析して変化を研究するべきではないか。もちろん問題そのものも『専門家』が作るのであるから。どうせその非公開問題も,かつての国家公務員試験問題と同様,生徒の記憶から漏れるものであるし,しょせんいい問題というよりも型通りの問題だろうから,ますます意味が無い。小中学生の能力が落ちたばかりか,テスト出題および結果を分析する研究者・教育者の質も相当に落ちているのではないか。
かつて入試問題を作ったことがある。数年前からの傾向を見ながら,予備校の反応を見ながら,高校からのクレームを背中に感じながら,決して同じ問題ではないものの,同じ分野の理解度を同じくらいの点数にできるように作題・配点するのである。毎週土曜は朝から日曜の午前様を 5~6 回も費やして作り上げるのである。微調整を経た最終版までには半年以上かかる。少なくとも僕が関与した数年は,予備校から(一応中立で高校教諭の気持ちも理解しているという前提で)「良問」という判定をいただいて,あの作題の苦しみを少しだけ忘れることができた。役所には,テストはもっと真面目にやれと言いたい。