2011年4月10日日曜日

安全の程度の予めの通知と「想定」

同様に,液状化の報道もあったが,早稲田大学の H 先生はいみじくも「役所からは液状化危険度の地図が公開されているから,それを見て家をお造りにならないと」という主旨のことをおっしゃったが,これが「想定」の意味であると思う。もちろん,一般の人にとっては「いまさらそんなこと言われても」というのが本音だろう。新築のときにそんな地図の存在は知らなかっただろうし,大工さんも知っていたかどうかわからない。不動産屋は知っていても教えなかっただろうし。しかし,設計する側からしたら「それが想定」なのである。絶対に安全な構造物は造れないという事実を,確率的に「できるだけ安全な構造物を造ろう」としているのが土木技術者(一般家屋は建築技術者の担当)である。
とはいえ,あの問題の原子力発電所は他原発との比較からも明らかなよう(新聞報道を信じれば)に,貧弱な設計であったことは否定できない。津波や地震で壊れた土木構造物とは意味が全く異なる。未だに御用学者が存在することも知らなかったし・・・