2010年9月19日日曜日

エコカー補助金打ち切り

土木構造の設計で非常に重要な概念は安全率である。今は形を変えつつあるが概念はそのまま継承されている。しかし,その土木を学ぶ学生が設定する安全率はかなり小さい。卒業論文発表が終わって,あと一ヶ月で卒業式というある日,単位が足りないので特別課題で単位をくれと泣きついて(文字通り)くる。しかも試験を望む学生はいない。必ず何か特別な措置だ。最初からその積もりの確信犯ではないか。「いつもの試験の 2 倍くらい難しいのをいつもの 2 倍くらい出してください。8 時間の試験で合格してみせます」なんてのは皆無だ。
もう一つ面白い現象がある。大学院受験のための願書が締切日の前日に半分も届いていないことだ。学内学生の願書の半分が締切日に提出される。締切日に学科事務に書き方を聞きにくる。午後になって違う窓口に提出しにくる。計算機演習の宿題 3 題の締め切りを 2 週後,あるいは 5 週間に 5 題にすると,大半の提出はその締切前日か当日。そして授業評価には「3 題の宿題をいっぺんに出すのはひどい」となる。あれ?
また,ある発表会のスライドを一度練習で批評しても,次の練習までに修正・改訂ができていない。にもかかわらず土日はお休みだ。最近は徹夜もしないようだ。安全率は限りなく 1 に近い。高校まで誰かがなんとかしてくれたのだろうか。僕も誰かがなんとかしてくれるという人生を送ってきたが,安全率だけは高く保っていた。おかげでなんとか誰かが助けてくれた。
エコカー補助金が前倒しで突然打ち切られて怒る人を見ると,ちょっと怒りを覚える。役人さんは,特に文部科学省の役人さんの一部は大嫌いだが,彼らだけが悪いわけでもなかろうに。見通しを間違えたディーラーを批判する前に,自分の決断の遅さ・安全率の低さも反省しよう。