2016年1月16日土曜日

こういう研修こそ時間の無駄

    某機関による研究倫理の研修 eLearning をようやく終えた。全教員の必修研修だ。七つのトピックスで,延べ二日半かかった。実は読んだのは主文だけで,html のアンカーが付いた参考情報には一切目を通していない。クイズは,六つのトピックスに対しては五個ずつで,最後のが三個だった。回答は選択式(一部複数回答有り)である。成績はまず 80 点,60 点と不調で始まるが,その後はすべて 100 点がとれた(もちろん当てずっぽうもあった)ので,及第点(80 点以上)で研修を終えた。三日かかったょぉ! ふぅーっ!
    そのクイズ。参考情報を一切読まなかったからかもしれないが,答が正しいとは思えないものもあった。例えば次のようなものだ。主文に例えば「X が Y になる原因には A や B がある。また C であることも考えられる。特に D については注意が必要だ。」とあったとしよう。そしてクイズだ。『X が Y になる原因の中で最も起こりにくいものは A, B, C, D, E のうちどれか』である。これは困った。主文を読んでもそんな発生確率までは書いてなかったからだ。ということは当てずっぽうか,あるいは経験に基づくより他には無い。そこで僕は自分の経験(その五つの事象に接した過去の経験)を膨らませて『E』と答えた。しかし正解は「B」で,その説明文には「E も起こる可能性はありますが,どちらかというと B が起こるのは非常に希です」とあった。しかし,そんなことは主文には一切書かれてないのだ。我々の講義の試験でも,参考文献を参照しない限りわからない問題は出してはいけない。参考文献はあくまでも興味のある人用の参考のために準備されているからだ。これは出題における教育倫理違反に他ならない。いずれにしても不毛な数日だった。二度とごめんだ。
    卒業論文やら修士論文とその論文投稿準備やら学会発表準備やらで最も多忙な12月から3月のこの時期,半月の間に負荷の高いアンケートが六つだ。研究倫理が二つ,キャンパス内禁煙,教育について二箇所から,そして不正防止だ。一つは動画だ。ほんの一部の馬鹿教員の不正によってその他大勢の真面目な教員(僕は60点しかとれなかったから不真面目な教員だろう)の時間が無駄になっている。教材を作らされる方も迷惑だったろう。またアンケートは恣意的だ。選択できる答の無い問が多すぎる。ある結論に誘導しようとしているだけのアンケートである。こりゃもう駄目だ。