2016年1月11日月曜日

アインシュタインの論文は手本か?

    読んだことはもちろん無い。本日の朝日新聞に東大の村山先生という専門家が『これ(その論文)は奇異な(幸福な)論文だ』そうだ。括弧書きは補足。阪大名誉教授の内山先生という人は『科学論文のお手本』『初等数学の知識があれば理解できる。まことに珍しい貴重な論文』と記したらしい。朝日には「多くの科学論文は,現象や実験結果に基づ」くとした上で村山先生の言葉『相対性理論は,純粋理論を純粋理論だけで書』いたと引用する。そして,某民間にいた唐木田氏の『今こそアインシュタインに学ぶべき』を引用した。
    これに対し,フェルミラボにおられた井口先生のおっしゃってたことを思い出しながら書くと(したがって正確ではないが)「彼は秀才(頭のいい人)ではなく天才(生まれながらの才能を持ち誰も真似できない能力の持ち主)なんだよ。彼の主張は実験等に基づいているわけでは全くなく,あることを説明するために『こうだったらいいなぁ』と書いたのが彼の論文であり,その論理的な方法なんだね。だから誰も真似できないってわけ」なんだそうだ。村山先生の言葉には近いが,朝日が主張したいことと全くの逆である。つまり,研究者の 1%もいない存在だということだ。まして朝日の見出しのように「科学者のあるべき姿」であるはずもないわけだ。誰も手本にはできないわけだからね。僕は井口先生を信じるね。