2010年12月4日土曜日

英語を聞く・英語で話す考える

10/20 の朝日に鳥飼玖美子女史の英語教育へのコメントがあった。一部しか引用しないのは誤解を招くかもしれないが,敢えて「・・・、これまで企業人が外国に放り出されて何とか英語でやってこられたのは、読み書きの基礎力があったから・・・」とあった。短い文節にして(論文でも関係代名詞なんかは極力使わない!)文法通り話せば通じます。一番の問題点は聞く力。正しい発音を覚えてない(聞いたことない)からということと,頭の中では日本語で考えているということ,この二つを克服しないと英語での会話はできないだろう。ならば,何度も聞き直せばいい(時間稼ぎのためにも)ことであり,相手の癖にできるだけ早く慣れればいい。`Pardon↑'(シカゴ周辺の米国中西部なら `Excuse me↑')を恥ずかしがらずに使う。そうすればあとは文法通り話せるかどうか。特に相手がインテリであればこれでいい。冠詞もどうでもいい。ただし相手が子供だともういけません。
英語で考えるのは難しいとしても,発音は大事だ。「こ’ーひー」は `Coke' に聞こえるとよく言われる。「ばーぼん」ではビールが出てきたりする。空港から `E'vanston' の `O'rrington Hote'l' に行きたくて,「えヴぁ’んすとん」の「おり’んとんほ’てる」と指示すると,タクシー運転手は理解できない。でも,相手が大学教授なら大丈夫。そんなものだ。また,一息でどこまで口に出すかも大事かもしれない。日本語でも,九州地方の標準語の抑揚の無い文章は関東地方人には理解しにくい。大学に入ってすぐに吉祥寺の駅ビル地下で「ソフトクリームをください」が通じなかった。ソフトクリーム売り場でである。鳥飼女史は「・・・(冠詞のことを述べた上で)そのかわり日本人はもう少し丁寧に子音の連結や強弱のリズムをマスターしたほうが理解されやすくなる」と書いていた。努力はしましょう。
一方,英語で書く場合は大丈夫だと思う人は多いかもしれないが,これこそ論理が英語的でない場合には理解してもらえないからやっかいだ。英語校閲をお願いしている女史も,英語だけを直しても駄目なときにはすっごく疲れるとおっしゃる。論理構成が上から下へとストレートではない文章の場合だ。やはり英語は難しい。そもそも後ろから訳すことだけでもやめさせたら,英語への抵抗は減ると感じている。鳥飼女史の記事には,最近の英語教育は随分よくなっているとあったが,最近の学生の訳でも,いつもうしろからうしろからという人がほぼ 100% だ。関係代名詞や「to ~」もまず主文を訳してから続けることを教えてみたらどうかと思っている。僕のゼミではそうさせようと努力している。そうすると,少なくとも話すのは楽になってうまくなるのではないだろうか。とは素人の感想でした。