2012年8月5日日曜日

アメリカの中途半端な真似

大学の単位認定では通常試験をして点数で表すが,授業の内容・目的によっては合否だけで判定することもある。アメリカの場合は,ある範囲の数の講義で,点数による成績報告なのか合否だけにするのかを選択できる。なぜかというと,その学期の平均点の低下が除籍に直接結びつくからである。
本学工学部でも,ある学期の成績がいいと次の学期に制限数以上の科目を履修できる。結果的には早めに卒業要件を満足させることが成績上位者にはできるわけだ。何がいいのかまったく理解できないが,それはともかくその工学部では,合否の成績判定に反対している。数値化して欲しいそうだ。例えば複数の教員が代わる代わる講義をするオムニバス方式の(いい加減な)講義がわが国にはある。工学部ではこれもレポート等で数値成績をつけるべきだとしている。しかし,いい加減な講義だから,中にはある学生にとってはつまらない内容の講義しかできない教員も複数いるだろう。そんな課題に対して,その学生はまともなレポートができるわけがない。それをさらに基準の曖昧な判定で数値化されたら,学生はたまったものではないだろう。米国の丁寧なシステムとの思想的な不具合がよく見える。なんとかならないものだろうか。