2011年9月4日日曜日

数字の「7」にはなぜ「チョン」がある?

東京大学出版会の季刊誌に注釈を多用した随筆がある。シリーズ名はとっても洒落た「注文(ちゅうぶん)の多い雑文」で,著者は須藤靖先生だ。また同誌では,「科学・技術」に中黒が必要かどうかについて,理学系(?)の上出先生と工学系(?)の木村先生で 180 度違う文章が載っていて,拙著にも書いたように僕は前者に賛同するのだが,須藤先生は最近その後者への反論を出しておられる。が,本日はそのことではない。なんじゃそりゃ。
須藤先生が,片手で 10 以上まで数えられるインドのやり方等を紹介しながら,アラビア数字の謎について書いておられた。実は上の図は,チュニジアからの留学生が僕に教えてくれたものだが,角の数で値を表したのがアラビア数字であるとのこと。だから零には角があってはならないのであり,斜めに棒を引いてはいけないのである。なお,アラビア数字には,今僕らが使っているのとちょっと違うものもあり,それはアラブ文化圏では今でも使われていると聞いた。
上の図が正しいかどうかはともかくとして,日本人のかなりの数の人たち(理系だけかも)が数字の「7」の腹に「チョン」を書く。僕は大学に入ってからそれに気付いたような気がするが,すぐに真似るようになった。そして留学先のアメリカで使って,ボスに「これは付けるな」と叱られた。どうして? ただ,どうしてそれが付いたのかは知らなかった。「7」があまりにもあっさりとしたデザインなのでアクセントを付けたのか,と考えていたが,上の図からはその「チョン」が必須であることが理解できる。面白いねぇ。