2012年4月8日日曜日

津波対策施設は津波では壊れない

相変わらず津波対策の図(新聞などの素人用)には,海岸から離れたところに盛土をして住宅地を・・・という絵がある。
今回の仙台の被災原因を見てみよう。ほとんどが津波だろうが,もちろん地震動で壊れたものもある。我が大学の「建築の学科」が入った「建物」が代表だ。呵呵。しかし市内を眺めると,斜面の住宅地にも壊滅的なものも多数ある。原因は津波じゃない液状化でもない。それが盛土部である。地震のたびに,例えば高速道路の盛土部が崩壊している。それを我々は知っているはずになっている。なのに復興計画は盛土だ。
うぅーむ。また 500 年後くらいに大きな津波が来るのだろう。そして,二重三重にはりめぐらせた対津波構造が津波の遡上を小さくあるいは遅らすことができるだろう。しかしこの盛土部の住宅地では,津波からは全く影響を与えないまま地震動ですべりや地盤沈下が生じて,また問題になるのかもしれない。人の力には限りがある,土木技術はある決めた確率で安全性は保証できない,という重要な二点を再確認した大災害の直後も,考えることは安直なことばかりではないのか。精度という観点から見れば,土の挙動なんてほとんど何も予測できないのとちゃうの。