2012年6月24日日曜日

創造力を最初から持った人はいない

某紙が某起業家に,どんな能力に自信があるのか選択式の質問をしたところ,一位が「創造性・ひらめき」だったそうだ。つまり質問の箇条がおかしい。先天的に創造力を有する個人はほぼ零だと僕は見ているからだ。ひらめき,つまりセレンディピティは問題に深く長く接して悩み続けること無しには得られないものであり,これには先天的な創造力は関係無い。必要なのはシミュレーション,つまり想像力である。問題を解決する答を頭の中あるいは試作によって求める。それが駄目なときに,その状況を踏まえてまた想像して次の答を求めていくという「行動」そのものが創造物を生み出す可能性を高める。結果的にその成果だけを他人が見ると「高い創造性」に見えるだけだ。
パスツールの言葉に `Chance favors the prepared mind.' というのがある。