2016年4月23日土曜日

落橋

    昨日午後,工学倫理の授業で落橋事故のトピックスをしゃべった。ちょうど同じ時間帯に事故が起きたらしい。ニュース番組の素人同士で,押し出しとか吊っているとか,言う必要があるとはとても思えない。専門家としての三木先生にキャスターがいろいろ聞くが,先生ご本人もわかるわけがない。だって現場をまだ見てないからだ。なんで,思い込みのような質問をしたいのだろう。以前,川の氾濫現場の映像に,水没した橋が出てきた。キャスターはそんな橋を造ったことを批判したい口ぶりである。実はそれは河川敷にある橋であるから,水没するのは当然の条件であって,現場のヘリコプターに乗っている専門家はキャスターの発言をやんわり否定するが,キャスターは自論を言い続けた。どうして,ある特定の方向に結論を導こうとするのだろう。わからん。
    最近のニュースは不愉快なことが多い。どうして自衛隊が救助した人の映像を映そうとするのか。あのブルーシートを持つ 10 人以上の人たちが本来は別にやることができる仕事がありそうだが,無駄な作業を強いられている。あるチャンネルではとうとう,生のインタビューの最中,後ろに男性が来て追い払われてしまった。避難場所を映すことは,他人の家の中を窓からのぞいて映していることと同じだし。うぅーむ。5 年前の被災のときのマスコミのやり方も,仙台市内に住む伊集院氏も彼の随筆の中で批判していた。
    また,一部の専門家にも疑問がある。あと出しジャンケンだ。最初の地震時に発信できなかった自論「本震はまだ来てない」を,その本震が起こったあとの TV 出演の機会に発言するのは卑怯だ。仲間内で言うのはいい。確かにその情報を発信していれば,助かった命もあるだろう。しかし,天は君にその機会を与えてくれなかったわけだ。それを敢えて,あと出しジャンケンでマスコミに発信しても,何もいいことは無い。きちんと専門家の間で,その自論が本震前に確実だったことが証明されたときに限って,今回の気象庁の最初の発表を批判できることになるだけだ。