2023年3月10日金曜日

軍事転用できる研究

 有識者会議の「政府と大学・民間が一体となって,防衛力の強化にもつながる研究開発を進めるための仕組みづくり」には違和感を抱く。そうではなくて,『大学・民間の研究内容に政府と防衛省などの各省庁はもっと経済的支援をして,その中で防衛力強化に繋がるものについては防衛省の所掌研究機関でさらなる研究開発をする』のが適切なのではないか。民生研究と軍事研究の区別が難しいことはもう明らかだが,防衛省が提案した研究を大学が行うことには反対したい。そうじゃないのだ。大学は政府の方針とは無関係に学問を自由にする権利と義務を持っている。だから大学人が自分で選んだテーマの研究費を防衛省等に申請するが,それを審査するのは省庁側。だが大学は,その研究の軍事転用はしない。これが米軍や NASA が行っている研究費配布だと感じるのだが,違うのだろうか。僕が尊敬する米国教授が軍から得た研究費のテーマは「〇〇材料について」というタイトルだ。中身は半分数学,半分はその実験的検証だ。