2022年2月20日日曜日

リモート講義は質が低下するか?

 今朝の新聞にそういう記事がある。東北大のアンケートでは,リモートにも利点があるという教員と学生が少なからずあるようだ。そもそも,対面と何が違うのか。僕はリモートは幸いにもしないで済んでいるが,講義そのものの在り方については何も違いが無いとしか思えない。対面のときはどうだったか。講義室にちょっと早めに行く。うるさい。ま,それは仕方が無い。話し始めてもまだちょっとうるさい。でもすぐに静かになる。板書をしながら 90 分間しゃべり続ける。米国での講義のように講義中に質問する学生は皆無だ(留学生を交えた短期留学プログラムでは留学生が挙手をした)。板書をノート 5 枚くらいに写して終わる。黒板を全部消す。その間に教壇のとこりに寄って質問する学生は 30 年間で,一学期に数回だけだ。オフィスアワーズに研究室に質問しに来るのは数年に一回くらいだ。学生は三々五々出ていく。これがリモートになっても,ちゃんと画面に黒板全体が映し出されている限り,講義の内容と質は同じだ。むしろ,リモートだとメイル等で事後に質問ができるらしい。メイルだとオフィスアワーズを気にしなくてもいいから便利だ。もし映像を学生側の端末で録画ができるなら,復習でも役立つ。ただ,それに頼ってノートに黒板を写す作業をしないと理解度は対面より劣るはずだが。ということで,よほどリモートの方が質は上がると思うのだが。部活やサークル活動とか,講義室以外の場での学生間交流は我々教員が関与する教育内容ではないし。