うぅーん。大学がまた疲弊するだけか。小中学校教諭の労働環境の悪化を嘆いているようだが,大学教員が同じ道を歩むことになるかもしれない。今でさえ裁量労働制だ。これって自由に好きなときに仕事をすればいいと感じるかもしれないが,まるで逆で,いつも仕事ができる契約である。トイレの中でも週末でもだ。それに社会人対策を加えようっていうのだ。
某大工学部がブラックだと噂された際労働基準監督署が乗り込んできて,夜中までや週末に仕事をしていることに対し「自らそんなに仕事をしたい人間がいるはずはない」と言われた。我々はこの言葉は笑い事だと思っているが,世間ではどうやらそうらしい。確かに,どのくらいの緊迫感を持つ仕事かというのが一般職とは違うのだろうが,競争社会にいるのは同じだ。好きで週末も学校にいることを不思議だと思われるのが,こちらとしては不思議だ。でも,朝から外来対応をして夕食を子供と家族と食べて,軽く水泳をしてまた大学で研究を続ける・・・というのは働き過ぎだとは思う。が,時間的には仕方が無いのだろう。
ほとんどの一般人にとって「学び直し」は高校レベルが適切だと感じる。板書を写すのが困難な学生さんのお父さん(分野は違うが工学部卒)が息子のために授業に出てくれていた。僕の講義はたいへんだったそうだ。かつて習ったようなことでも,写すのが精一杯。おっと,これは僕の講義のやり方に問題があるのかな。で,高校のかつての担任が還暦を迎えたときに,卒業生が集まって 30 分くらいの漢文の授業を受けた。先生が上手なのだが,生徒だったときよりもはるかに分かり易かったし面白かった。論語についてだった。高校の先生もお忙しいのであろうが,教えてもらう内容のレベルとしては,卒業という資格を必要としない「学び直し」の社会人・老人には適切だと感じているところだ。