2016年2月20日土曜日

大学の責任と高校の責任

    本学工学部のある種の入試合格者(なんと11月末に決定する)は,高校卒業前に大学からの通信個別指導を受けることができる。他にも優遇措置があるが,この指導内容は,入学したあとの 1 年生のときに受講する数学や物理の演習問題を解くものである。まだ解き方も習ってないのにである。しかも,受験生の中には,それを楽しみにしている者がいる。あの Z 会の問題がすらすら解ける人たちなのだろうなぁ。すごいとしか言いようが無い。しかしである。通信指導は担当する准教授にとっては負担(余計な仕事)であるし,それが本当に大学が責任を持ってやるべきことなのか,僕には疑問だ。高校の校長ももっと真面目に考えて,卒業までは高校ですべての責任を取りますと言えないのだろうか。11 月末には入学が確定してしまった高校生の指導を,その高校がやらないのは手抜きだろう。責任を持って推薦したのであれば,卒業までの教育にも責任を持つべきではないのか。我が母校の高校では,こういったことを避けるために推薦入学に積極的ではなかったと思う。
    ところでプロ野球に行く高校球児達は卒業直前には高校で勉強しなくてもいいのだろうか。お正月前後からは何の疑問もなく TV には,新しくプロになる予定の高校球児達が出ている。と,学生さんに質問したところ,野球だけじゃないそうだ。うぅーむ。
    ま,入試については本学側の方針でもあるのだから僕が何を言っても仕方がないが,本学の考え方は実は「教養教育なんてどうでもいいから,使える知識だけを覚えさせて,効率的に研究をして成果を出す学生を生産したい」だけなのではないだろうか,と疑っているのは僕だけだろうか。