2016年2月11日木曜日

論文や書類の修正依頼がおかしい

    論文査読に「ヤング率はおかしい,ヤング係数と書け」と来た。頭に来た。ヤング率はヤング率だ・・・と,まさかと思って道路橋示方書を見るとヤング係数とある。どうやら示方書教団の信者さんが査読したらしい。
    今度は学内だ。ヤング率の単位を Pa にしろと。Pa は圧力の単位だ。示方書教団の信者さんの場合は N/mm^2 である。ただし応力も同じ単位だ。しかしこれは素直だ。また行列の括弧をカギ括弧にせよときた。その理由は書かれてないから無視した上で理学部数学の友人に問うたら,面白い一文を得た。「数学的記号法に関する最高裁判所は存在しない」だ。他大学の先生に愚痴ったところ,どうやらこういった,どっちでもいいことを強要するのが流行っているようだ。困った。
    昨今の大学内外アンケートでも,ある種の結論を強要するような状況だ。研究のためのプロの教員からのアンケートでもよくあるが,回答の選択肢の中に選べる答が存在しない質問が多すぎる。「その他:自由記述」も無い。特にインターネットのアンケートには,最後に自由記述が無い可能性があるので,途中に一箇所でも特定の目的のための自由記述欄があったときには,とりあえずその目的にかかわらず,そこに,全体に対する文句や苦情も全部書き込んでおく。そうでないと,うっかり最後の問題を答えた途端に「ありがとうございました」で終わってしまうからだ。答を強要して,ある設定した結論に導こうとしているらしい。