2012年9月9日日曜日

使いにくいものを作るのが日本建築の目標

予想していたことが起こった。工学部の食堂周辺が,景観や建物だけではなく什器も含めて,また施主や設計者・施工者が一体となって工夫して建設したということで,建築関連の二番目に由緒のある賞を受けた。あの使いにくい食堂のことである。大きさや形の違う机がランダムに並んでいて,誰もいないか少人数が静かにしているときのみ意味がありそうな什器の並んだ学生食堂のことである。使うのが不便な旅行仲介カウンターのあるあの購買店舗のことである。大人数ではとても使えない本棚配置の,あの書店のことである。僕の研究室の学生がいみじくも「建築の価値というのは一般人のそれとは全く異なる」と発言したあの建物群のことである。やっぱり。