東北大学の理念の基礎の一つに「門戸開放主義」というのがある。元教養部には塀も門も無く,それを含む文系キャンパスでも工学部・理学部キャンパスでも,その真ん中を仙台市道が通っていて警察の車も自由に通行することができる。この市道で一旦停止を無視する車をつかまえるために,大学内のある道路では夜間,警察の車が停まっていたりする。それが,マルクス経済学が主流だった経済学部の目と鼻の先だ。これが本学の「門戸」開放主義だ! ・・・・・というのはもちろん嘘である。
さて,土木と建築以外の工学部学科ではあるとき,学士編入学の門戸を閉ざした。理由ははっきりとは覚えていないが,あまり筋のいいものではないように僕には聞こえた。建築には毎年のように受験者がいると聞く。土木には滅多にないのだが,僕の研究室には一人,理科教育系大学からの編入者があった。彼は最初,修士に入学して土木の仕事をしたいと相談に来たが,僕ともう一人の先輩先生で学部教育の重要さを説明し,絶対損にはならないから学士編入学した方がいいと説得した。その結果,編入学できて成績もよく,今は立派な土木系の地方公務員だ。
もう一つの理念の基礎は「研究第一主義」だが,特に本学工学研究科は産学云々というキーワードも漏れてくることからわかるように,大学ではなく専門学校にムニャムニャ・・・