2021年9月22日水曜日

シミュレーションや理論の本質を法学関係者は知らないのだろうか

 元弁護士で元知事の某氏がある TV 番組で,コロナ禍の初期からよく引用されるある大学教員の予測データや主張をもう信じないと述べた。それを聴いていてちょっと驚いた。というのも,シミュレーションや理論が事実を正確に予測すると思っていたようだったからだ。どちらもある事実を観察したある種のモデルに基づいたもので,一つの現象に対して予測理論が 10 個あれば,全部異なる結果になるのは当たり前だ。例えば台風の進路予測の報道等を通して素人でも知っていると思っていた。そういえば,FEM の解は「正解」だと思っている技術者がいて困るという話が昔あったことを思い出した。英語で `It is a theory.' の意味は,それは一つの可能性だという意味でしかない。あの感染者数についての折れ線の予測なんて,そもそもそのまま信じていいはずがないことは,素人でもわかると思っていたのだが。